「落ち着け」では解消しない! 日本人選手に決定力がない本当の理由

2013年06月08日(Sat)14時37分配信

text by 中村僚 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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シュートコースへの助言を行った結果…

 まず、最初の10本は何の助言も与えずに行う。実戦で言えばビッグチャンスであり、絶対に決めなければならない場面なのだが、年も体格も一回り以上違う大人がプレッシャーをかけていることもあるためか、ゴールに決まる確率が何とも低い。

 10本中3本成功が2人、4本が1人だった。次に、[3]のシュートコースがあることを提示して再び10本行う。すると、3本しか決められなかった2人は、その成功数を8本まで上げた。

 ここまでは目測通りと、私は腹の中でほくそ笑んでいたのだが、くせ者が最後の1人だった。最初の10本では4本を決めていた選手は、アドバイス後でもなんと3本しか決められず、逆にゴール数を落としてしまった。

 これは完全に私の予想外のデータだ。私の仮説は、翻せば「[3]のコースを知ることで決定力が上がる」ということになる。彼の残した数字はその真逆のものだ。だが、数字だけでは語れないのがサッカーである。この検証結果は私の仮説を否定するものにはならなかった。

 実は8本決めた2人のシュートも、実際に[3]のコースへ決めたのは2本だけなのだ。これはゴール数を統計したメッシ、ロナウドの数字とも概ね合致する。最初の1本を股下に決め、そこにもシュートコースがあることをGKに示す。

 するとGKは自分の守備範囲の内側にも関わらずゴールになったことで警戒心を増し、意識がより自分の体の近くへと傾く。それを見たシューターはさらに大きく空いた[1]のコースへシュートを放つのだ。

 それに対し、アドバイス後も3本しか決められなかった選手は最初の2本を股下に決めたものの、3本目でGKにセーブされた後もひたすら同じコースを狙い続け、シュートを打ってはGKに当てるということを繰り返していた。

 私が彼らにかけた言葉は「ここにもコースがある」という助言であり、「ここに打て」という指示ではないということも補足しておこう。

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