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代表 11年前

東アジア杯、主力不在の豪州代表だが――。オジェック監督が是が非でも日本に勝たなければならない理由

25日に日本戦を控えるオーストラリア代表。日本と同様、主力メンバーは招集できず、フレッシュなメンバーが中心である。しかし、オジェック監督は他国よりも結果を欲している。それはなぜなのか?

text by 植松久隆 photo by Hisataka Uematsu , Football Australia

二兎を追うオーストラリア

東アジア杯、主力不在の豪州代表だが――
いつもとの顔ぶれのほとんどが不在となったサッカルーズ(写真はW杯予選オマーン戦)【写真:Football Australia】

 20日から韓国で始まった東アジアカップに国内組メインで臨んだサッカルーズ(筆者注:豪代表の愛称)は、初戦の韓国戦をGKユージン・ガレコビッチの再三の好守で辛くもスコアレス・ドローで切り抜け、まずは無難に大会のスタートを切った。

 この東アジアカップという大会、その開催意義など日本で色々と議論があるようだが、オーストラリアでは国際Aマッチの絶対数が日本などに比べて少ないこともあって、自国のアジアにおけるプレゼンスを高める良い機会だというような肯定的な意見が多く、ネガティブな意見は余り聞こえてこなかった。

 ホルガー・オジェック監督も、この大会の参加にはかなり前向きで、欧州、中東でプレーする主力が参加できない以上は、新戦力の見極めの場として有効に使いたいと考えで大会に臨んでいる。

 しかし、オジェック監督の考えはそれだけに留まらない。代表経験の少ない国内組や若手の新戦力で臨んだ今大会でタイトル獲得をすれば、もはやサッカルーズを語るときの枕詞になった感すらある「世代交代の遅れ」への批判を一気に解消したうえでタイトルという「成果」も残すことになる。

 そうなれば、代表監督としての自らの立場も安泰になるとの思惑が無いはずがない。W杯出場が危うくなって首筋が寒くなったものの何とか乗り切り、今は来年の本大会までの続投を確定させたいという色気も出ているだろう。

 この大会でオーストラリア(というよりオジェック監督自身)は、「世代交代を担う戦力の見極め」と「タイトルという目に見える成果」の二つを同時に追っている。その意味では、参加4ヵ国中で一番タイトルを欲しているのはオーストラリア(オジェック監督)ということになるかもしれない。

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