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【独占インタビュー】ゲルト・エンゲルス「Jリーグは『もっと上に行く』というハングリーさが足りない」

text by 羽澄凜太郎 photo by junior soccer editorial staff , Asuka Kudo / Football Channel

「砧公園、駒沢公園…ボールなんて蹴れないよ本当に(笑)」

――外に出るのも大事だけれど日本の下部組織をもっと良くすべきということでしょうか? 

「海外というオプションがあれば、外に出ていくことは大事だと思う。我々はそういう仕事もしているしね。それでやっぱりドイツに行くと環境も違う。環境、コーチングのレベル、1人ずつに集中できるグループの大きさ。ドイツにはサッカーがどこにでもある。どこでも簡単にサッカー出来る。

 日本は違う。僕もサッカーの関係者だったから。息子や娘とボールを蹴るってなったらレッズのピッチを借りたりしたけど、でも普通にボールを蹴るってなったらどこに行く? 砧公園、駒沢公園…ボールなんて蹴れないよ本当に(笑)。

 日本にはボールを蹴る環境、施設がほとんどない。フットサルのコートは増えているけどフットサルはサッカーじゃないからね。

 悪くないよ? フットサルをやってもサッカーの練習には少なからずなるからね。でも結局ボールは違うし、凄く良い練習になるとは思えない。そういうことを含めて日本と海外との環境は全然違う。ドイツはほんとに自由にいつも芝生のピッチで練習できるし、誰も文句は言わない。ドイツとはそういう環境が違う。

 僕が今いるドイツのデューレンって街は10万人ぐらいの街なんだけど中心から2~3キロに多分10ぐらいのクラブがあって、20ピッチぐらいの施設があって、行く場所、行く場所にマイクラブがあるからね。

 ここ(イングランド)もそうでしょう。どこでも小さくてもピッチがあって、クラブがある。日本にも綺麗な芝生のところがある。僕は京都の時もレッズの時もそういう場を見つけた。

 だけど日本はすぐに『どうぞ、使ってください』とはならない。だから今あるピッチを日本はもっと使うべきだと思う。新しくどんどん建てるんじゃなくてね。そういった環境の部分も変えないと下部の組織を変えるのは難しいよね」

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