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【独占インタビュー】ゲルト・エンゲルス「Jリーグは『もっと上に行く』というハングリーさが足りない」

日本で長く指導者を務めたゲルト・エンゲルス。現在はモザンビーク代表監督を務めるかたわら、ロンドンにある日本人少年のためにサッカークラブのテクニカルアドバイザーを務めている。日本から遠く離れた氏が日本サッカーへ提言する。

text by 羽澄凜太郎 photo by junior soccer editorial staff , Asuka Kudo / Football Channel

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「日本の下部組織は複雑」

――少し先ほどの話に戻るんですが柿谷選手の話の時に『早いうちに』とおっしゃられていたんですが具体的にはどのくらいの時期とお考えでしょうか? 

「まずここで一番大事なのは日本の組織。下部組織のシステムは考えないといけない。日本は他の国と凄く違う。例えばドイツは上から下までクラブサッカーしかない。それだとスカウティングも機能しやすい。

【独占インタビュー】ゲルト・エンゲルス「Jリーグは『もっと上に行く』というハングリーさが足りない」
エンゲルスは「日本は他の国と下部組織が凄く違う」という【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】

 それと各チームがアカデミーを持っている。だから下から上が凄く分かりやすくて、U-19、U-18、U-17とブンデスリーガみたいな歴史も長い全国リーグがある。だから下部組織のシステムはしっかりしている。

 日本はクラブチームもあれば、学校もあるし、サッカースクールもあるから凄く複雑。それとトップを育てるということでも難しい。日本は育成のピラミッドの幅が非常に広いと感じる。

 高校は毎日サッカーをやる人数が全国の高校を見ると非常に多い。ドイツより断然多い。でもトップレベルの選手を育てる力、コンセプト、システムはまだまだ足りてない。それはもちろんコーチングのライセンスのこととか含めてね。

 移籍にしたってドイツはプロを目指すために街の強いチームを出て、県の強いチームに入る、それでプロクラブに入るっていう流れで若くても移籍できる。でも日本は1回どこかのチームに入ったらほとんど移籍はなし。小学校、中学校の3年間はほとんど移籍なんてない」

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