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香川真司 10年前

ルーニーが絶賛する“シンジ”。マンU進化のためにエースは“香川の本格化”を渇望する

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「もっと高いものになるようにトレーニングをしていく必要がある」

 例えば、アウェイのソシエダ戦で見せたSBエブラとの縦の関係については、「仲間とのコンビネーションで崩していくのが、自分のスタイルでもある。もっと試合を追うごとに良いものにしていければいい」と話し、ポジションがどこであれ、仲間との“連携”を第一にしていること。そうした連携プレーを通じて、存在感を示そうとしていると語った。

 また、最近の試合でタッチ数が増えていることについて訊くと、「本当に毎日、毎試合勝負だと思っている。練習の中で特徴をわかってもらえるようにね。1年ちょっとやっているので、周りの選手も把握してくれていると思う。ただもっともっと高いものになるようにトレーニングをしていく必要があると思う」と話し、やはり意識的に、普段の練習から自分のスタイルを周囲に印象づけていることも打ち明けた。

 そしてプレミアでの戦い方については「自分自身がプレミアで感じるのは、1対1とかフィジカルの戦いで勝っていかないと厳しい。そういう局面が多い舞台だし、そこの戦いは攻守において意識する」ときっぱり。当り、競りがきついイングランドのサッカーに正面から対応する気構えを見せた。

 さらに香川は、丁寧に、代表についても語っていく。「代表は2連敗して、いろんな見方をされているが、しっかりと僕たちが目指す方向をこの2試合でまた目指して行ければいい」「僕たちはぶれずに自分たちのサッカーを追求すればいい」「(次の2戦では)中身が大事だと思う」「選手が自分を信じて自分たちのスタイルでやること」「修正しながら課題に取り組んでいくことも大事」…。

 こう続け、最後はオランダ、ベルギーと続く欧州2強豪との連戦について、「自分たちがどこまでやれるか、楽しみ。それが率直な気持ち」と話して、2連敗という状況より、強豪との試合経験を喜んだ。

 ここまで日本代表MFが記者達と話し込んだ時間は約10分、そこで大事件が起こった。

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