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日本代表 10年前

強豪オランダ・ベルギーと戦う意味――。ザックが求め続けた“理想のバランス”とは何か?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Kenzaburo Matsuoka

ザックジャパンの分岐点となる11月の連戦

 ザックジャパンではセンターバックからの縦パスが攻撃のスイッチとなっていたが、セルビア戦とベラルーシ戦ではほとんど出せていない。センターバックが攻撃の起点となれないので、ボランチの遠藤保仁のポジションが低くなり、香川真司や本田圭佑もボールをもらうために下がってくるので、ゴール前の人数が少なくなってしまう。

 オランダとベルギーはFIFAランクでも10位以内に入るチームであり、客観的に見れば日本よりも格上だろう。パスをつなぐ能力も高く、ボールを持たれる展開が予想される中で、日本はどのようなバランスで臨むのか。

 ザッケローニ監督はメンバーを固定し過ぎると批判されることが多い。しかし、指揮官としては日本のベストメンバーだと思っている選手たちが、同じ体験を共有することによって、「理想のバランス」を見つけることを待っているのではないか。

 もちろん、そうしたことができなければ、システムを変えたり、守備的な選手を入れたりすることで、理想のバランスを追求していくしかない。今のメンバーでワールドカップを戦えるのか、それとも――。審判はもうすぐ下る。

【了】

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