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アジア 10年前

アジア最古のリーグへ。横浜FC香港の挑戦と苦闘

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

代表選手を多く輩出するが故の悩みも

 今シーズンの香港リーグの外国人出場枠は5人。強豪チームは中心選手にずらりと外国人選手を揃え、そういうチームほど前評判は高いという。「相手は外国人選手が何人いるから強い、という感覚が香港人選手の中にもある。それを変えていきたい」。

 横浜FC香港は若手主体のチームを引き継いだだけに香港人選手を多く起用している。そのかいあって、10月に中国・天津で行われた東アジア競技大会に出場した香港U-23代表に4人輩出。

 結果的に4位で終わったものの、U-20日本代表とも対戦し、0対0の引き分けに持ち込んでいる。その中から2人がA代表にも選出されるなど、選手は育ってきている。だが、それゆえにうれしい悲鳴とも言えない、切実な問題もある。

「代表の練習や合宿によく選手を持って行かれるんです。A代表も週に1、2回練習に呼ばれる。代表としては試合に出ているから使いたいんです。私たちもそんなに人数をたくさん契約しているわけでもないので、彼らを抜かれると練習にならない。選手も代表の練習に行って、疲れて帰ってきて、チームの練習がフルにできない」

「選手にとってもクラブにとっても代表に選出されることは名誉なことですので、クラブとしても最大限、代表チームに協力したい。しかし選手が潰れてしまえば、双方にとって最悪なことです。クラブとしては、選手のコンディション維持を考えながら、代表チームとこまめにコミュニケーションをとりながら、やっていくしかないと思っています」

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