切り離せないサッカーと政治
スポーツと政治は分けて考えるべきだという意見をたまに聞くことがあるが、スペインサッカーに関して言えば、その二つを分けるのは不可能だ。政治とサッカーは、国民の大好物である。
もちろん、スペインに限った話ではない。イタリアで元首相がクラブチームのオーナーとなっているのは周知の事実で、逆に元FCバルセロナの会長は、選挙戦に出て、現在は無所属議員となっている。
現在のように、国民党(PartidoPopular)がスペインの与党になるとレアル・マドリーのスタジアム、サンティアゴ・ベルナベウのVIPゾーンは、国民党の政治家の集会所と化すのは、今に限った話ではない。両者の関係は明らかだ。
カンプノウに来る人々は、試合ごとに「カタルーニャ独立を!」と叫ぶ。それは、一つの政治的声明であり、政治的傾向を明らかに表している。五輪オリンピックのスローガンは“参加することに意義がある”だが、現在スポーツの世界にそんな単純なスローガンは通用しないし、現実からも程遠い。
マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が大建設会社の会長なのは有名な話だが、不動産バブルのあった2002年と銀河系時代が重なったのは、偶然ではないのだ。
【次ページ】CL決勝会場を目指して新スタジアム建設の野望