W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。日本代表の合宿予定地、イトゥは本当に最適な場所か?

日本代表のブラジルW杯の合宿予定地として、イトゥという地名があがっている。果たしてここはどんな街なのだろうか。W杯で戦う上で最適な場所なのだろうか。ブラジル取材を続ける筆者が現地を訪ねた。

2013年12月16日(Mon)7時58分配信

シリーズ:W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール
text by 田崎健太 photo Kenta Tazaki
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既に“非公開”状態の日本代表合宿予定地

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日本代表の合宿予定地『スパ・スポルト・リゾート』【写真:田崎健太】

 蔦の絡まる塀が外をぐるりと取り巻いていた。上を見上げるとネットだけが見えた――。

「知り合いが働いているから、中を見せてもらおう」。ぼくを案内してくれた地元の友人は緑色の鉄の扉の前まで車の頭を入れた。

 彼は車から身を乗り出すとインターフォンのボタンを押し、知人の名前を出して中を見せて欲しいと言った。すると、「その人間は今おらず、中に入れることはできない」という素っ気ない返事が返ってきた。

「今までは来る人、来る人に見学させていたのにな」。友人は首をひねった。

 数日前、サンパウロ市から約100キロ内陸に入ったイトゥにある『スパ・スポルト・リゾート』での出来事である。この施設は日本代表がW杯の合宿地として使用すると見られている。

 スパ・スポルト・リゾートは練習用ピッチが二面、ジム、プール、宿泊のため二十数部屋を備えている。コリンチャンスやパルメイラス、15才以下ブラジル代表などが合宿地として使用したこともある。

 練習、宿泊、食事、中で全てが完結する――非公開練習を好むザッケローニ監督向きの施設と言える。日本代表を受け入れるため、大幅に増改築する予定だという。

 イトゥは人口16万3000人の静かな街である。街にはポルトガル、イタリア、そして日系移民が多い。かつてイトゥは「バロン・ド・カフェ」(珈琲男爵)と呼ばれる珈琲栽培で財をなした人間が住んでおり、サンパウロ州で最も裕福な街の一つだった。

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