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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第7回 未知への挑戦

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

6月 Club Manegement

 フロント業務はこれまで通り多岐に渡っていた。自分の中では少しずつペースは掴めていたが、この時期はチームの成績が安定していなかったので、気持ちの浮き沈みは非常に激しい毎日だった。

 夜眠れないことはあまりなかったが、朝起きた時に厳しい現実がのしかかり、非常に重たい気持ちで1日がスタートする。

 朝にヨガをするのが現役時代からの日課だったが、これをシーズンの途中から再開した。非常に効果的だった。重たい現実は変わらないが、身体をほぐすこと、呼吸を意識することで今すべきことが見えるようになってくる。

「変えれるものは変える努力をする。変えることができないものは受け容れる」

 実はそれが整理できるだけでも気分は随分晴れるもの。ヨガをしながら、重たい気持ちに負けて、忘れていた日々やらなければいけない細々したことを朝からメモし、それをひとつずつこなしていくようにした。

 例えばメールのやりとりや、ちょっとした頼まれごとの対応、お礼の電話、期日までに調べないといけないことの調査。そのような細々したできないことが積み重なると、焦りだけが先走り、結果自分の動き、判断を鈍くさせる。負のスパイラルはそんな風に襲ってくるのかなと感じていた。

 選手時代にも敗戦後や調子が悪い時に、自分と向き合うのは気の重い作業だったが、それを避けていると問題点が曇り、時間が経つにつれ、次の問題が出てきて、いつの間にか向き合わないといけなかった要素がどんな事だったかすら忘れてしまう。

 そうやって深みにはまっていったことは何度か経験してきた。きつい時こそ、歯を食いしばって踏んばる。逃げないということはどんな仕事、職種にも共通する大事なことなんだと思う。

 新たにやる事として出てきたのが、来季のウェアーメーカーの見直しだった。

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