戦列から離れすぎた香川
ロンドンから北東約180キロに位置するノリッジは、人口13万人ほどのこじんまりとした市(シティ)だ。無論クラブの規模は小さい。しかしこの街のサポーターは熱く、市の規模に逆らうように、プレミアで健闘する。12月28日、今年最後となったマンチェスター・Uの公式戦がここで行われた。
僕は少しナーバスだった。今月、香川が戦列から遠のき過ぎていたからだ。
確かに12月4日のエバートン戦後、救急車騒動に発展した“病気”があった。しかし病名は今もはっきりせず。その後、出場した試合は10日に行われたドネツクとの欧州CL戦だけ。15日のアストンビラ戦にはチームに帯同しなかった。試合後モイーズ監督は、「まだ病気が治りきっていない。体調を崩した」と話して、香川の不在を説明した。
18日、ストークとのリーグ杯準々決勝にはベンチに入った。しかし出場機会はなし。その後、21日ウエストハム戦、26日ハル戦もベンチから眺めるだけで試合を終えていた。
プレミアの年末年始日程は過酷で知られている。そんな中、欧州CL戦に加え、リーグ杯準決勝も加わり、マンチェスター・Uはなんと、12月に9試合もの公式戦を戦った。
さらにノリッジ戦ではファン・ペルシーに加え、ルーニーも故障者リストにその名を加え、バレンシアが出場停止。普通に考えれば香川の先発は必至だった。
ところが、僕には一抹の不安があった。先月、香川の移籍を否定するコラムを書いてはいたが、12月の体調不良で多少状況は変わっていた。
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