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崩壊寸前のマンU。迷走するモイーズ監督の下で香川に未来はあるか?

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Getty Images

香川の出場機会はますます減少する

崩壊寸前のマンU。瞑想するモイーズ監督の下で香川に未来はあるか?
香川の出場機会はますます減少する傾向だ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 2年目の今季、開幕から香川にとって困難なシーズンになっていたが、11月27日に行われた欧州CL戦、レバークーゼンに5-0大勝した試合で主役になった。ここから台頭してくるかと思われたが、12月にウイルス性の病気にかかり、体調を崩して第一線から遠のいた。

 そして今月、ルーニー、ファンペルシー不在の状態で、救世主役を期待されたが、イングランド代表FWとオランダ代表FWがいなくなって連携もなくなり、ダイレクトなサッカーに終始するチームで結果を出せず。こうした悪い流れの中、モイーズ監督は香川のランク付けを一段階落としたような印象だ。

 それは、いわゆる「ファースト・チョイス」と呼ばれる絶対的先発ではない、準レギュラーという位置付けだろう。1.5列目の攻撃的選手は、ルーニー、ヤヌザイ、ウェルベック、バレンシア、ヤング、ナニ、香川の中から3人選ばれるが、ルーニーが復帰すれば、イングランド代表FWとヤヌザイの2人がファースト・チョイス。残りの1席を5人で争うことになる。

 さらに悪いことにスペイン代表MFマタの移籍が、この原稿を書いている24日にも確定しそうだ。

 となればモイーズも、マンチェスター・ユナイテッド史上最高の移籍金額となる64億円もの大金をはたいて連れて来た選手を使わないわけはないだろう。

 すると、国内カップ戦もなくなった今、香川の出場機会はますます減少する傾向だ。ワールドカップを考えたら、今冬の移籍も視野に入れてもいいのではないか。

 さて、最後にマタについて簡単に述べておこう。確かに昨季のプレミアで12ゴールを記録し、チェルシーの得点王になった選手で実績は文句なし。しかも最強スペイン代表で30キャップを記録し、その技術と左足の評価は高い。

 しかし、今季モウリーニョがマタを使わなかったのは、そのワークレートの問題だというのが定説だ。

 プレスをかけず、ボールを追いかけない。守備の貢献が足りないことが今季マタの出場機会を減らした。

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