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本田圭佑 10年前

「二流」「遅い」、トリノ戦の本田に現地の厳しい評価並ぶ。不調の要因はミランルーキーが陥る“罠”か

text by 編集部 photo by Ryota Harada

「機敏で軽快ではあるが、動きが遅い」

 最後に三大スポーツ紙の1つ「コリエレ・デロ・スポーツ」のフリオ・フェデーレ記者は落第点に近い『5』を本田に下している。

「ミランの戦術が彼に合っていない。スペースが少ないし、走りも少ない。後半はよりよくなったけど。オランダやロシアでの経験があっても、より重要でレベルの高いリーグのサッカーに適応できていない。まだ慣れるまでに時間が必要だ。この戦術は彼のためにはよくないと思う」

 フェデーレ記者は本田の低調だったパフォーマンスの理由に、ロシアリーグとセリエAのリーグ自体の力の差を挙げ、未だ適応期間という見方を示した。そして、トップ下に3選手が並ぶシードルフ監督の4-2-3-1システムが本田ら選手からスペースを奪っているという分析を見せた。

「本田は体格はいい。だが、どうしてなのかわからないが、少し遅い。機敏で軽快ではあるが、動きが遅い。判断も遅い。何をしていいか、まだよく分かっていない。本田はオランダでもプレーしているし、ロシアでもプレーしている。でも何かが欠けている」

 スピードはそもそも本田の武器ではないのだが、フェデーレ記者はプレースピードや判断の速さに疑問を呈している。資質の問題なのか。それともシステムへの適応の問題なのか。それは時間が経たなければわからない。

「ミランにはターラブが加入してきたが、ロビーニョもあまりパフォーマンスがよくないし、本田はベンチ行きということにはならないと思う。でも、ベンチに行ったとしても、落胆することはない。本田はチャンピオンズリーグでもプレーしていたから、ミランで活躍する準備ができている選手だと想像していた。だが、(適応には)時間がかかるということだ」

 近年最悪の状況にあったミランの“救世主”という期待を寄せられた本田だが、メディアの視線は冷静になっているのだろうか。絶対的な評価を手にするには勝利とゴールを重ねることが一番の近道かもしれない。

【了】

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