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日本代表 10年前

NZ戦で明暗分かれた当落線上の選手たち。W杯へ“当確”の選手とチャンス逃した選手は?

text by 西部謙司 photo by Asuka Kudo / Football Channel

攻め直しは多少の進歩か

 相手に引かれたときに、サイドから中央後方にボールを戻して攻め直しになる。

 セルビア、ベラルーシに連敗した試合での問題点として、まずショートパスの距離感が近すぎて奪われていたことがあげられる。この点はニュージーランドの守備力が低かったこともあって今回は問題にならなかった。

 もう1つの問題点である攻め直しについても、多少の改善が見られたように思えるが、これも相手が相手だったので正直よくわからない。

 日本の遅攻は、本田、香川、遠藤のメインキャストを同一地域に投入してしまう傾向があるため、攻め直しになったときに次の縦パスが入りにくい。そのため、攻め直してサイドを変えても相手に守備を修正する時間を与えてしまう。

 セルビア&ベラルーシ戦ではそうなっていたのだが、今回は吉田麻也や森重真人から早いタイミングで縦パスが入っていた。その点はやや良くなったといえるかもしれない。

 引かれたときの攻め手は、岡崎慎司の飛び出しとSBのオーバーラップの2つが主要ルートになっている。

 左寄りで香川、遠藤が持ったときに、逆の右サイドから裏へ飛び出す岡崎の動きは引いた相手に対して非常に有効だ。これはザッケローニ監督就任の初年度から継続している攻め手なのでチームとして持っているパターンなのだが、なぜか岡崎以外では決まらない。他の選手も狙っていくべきだろう。

 長友佑都の攻撃も定番で、遠藤から本田、香川を経由しての左サイド攻略は手の内に入っている形である。ただ、この攻撃をカットされたときの守備は考えておく必要がある。右に関しては酒井宏樹、酒井高徳ともに物足りなかった。負傷欠場していた内田篤人の株が相対的に上がるようなプレーぶりだったのは残念だ。

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