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日本代表 10年前

NZ戦で明暗分かれた当落線上の選手たち。W杯へ“当確”の選手とチャンス逃した選手は?

text by 西部謙司 photo by Asuka Kudo / Football Channel

ゼロで抑えられる気がしない。当落線上の選手たちの行方は?

NZ戦で明暗分かれた当落線上の選手たち。W杯へ“当確”の選手とチャンス逃した選手は?
3点目を決めた森重真人【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 カウンターアタック対策はかなり不安定だった。崩れていないのに失点につながりそうなピンチが何度もあり、W杯ではどの試合でも1失点は覚悟しなければならないだろう。そのぶん点はとれるチームだが、ゼロで抑えられる気がしない。

 押し込まれれば必ずミスで失点する日本だが、押し込んでいるケースでも油断ができない。人数不足というわけでもないので、個の能力が上がらないと解決は難しいのかもしれない。とりあえず、なるべくカウンターにならないように高い位置で抑えるしかない。W杯ではファウルで止める判断も必要になると思う。

 W杯メンバー発表前の最後の試合だった。山口と森重については、レギュラーポジションを勝ちとったとみる。遠藤のバックアップとして最有力だった青山は、ニュージーランド戦の一戦で真価を見せたので23名に入る可能性が出てきた。

 反対に、ニュージーランド戦でプレーしたことがアダになるかもしれないのが酒井宏樹、酒井高徳、清武弘嗣の3人だ。2人の酒井は負傷の内田に取って代わる絶好のチャンスを逃した。清武の不調も気がかりだ。

 クリエイティブなアタッカーとしては本田、香川、柿谷がいるので清武まで必要かどうかは微妙で、岡崎のバックアッパーとしては得点力と運動量のある工藤壮人がいる。

 大迫勇也は23名には選出されると思うが、似たタイプの前田遼一よりも確実に優れているというアピールはできていない。むしろ本田、香川との絡みは前田のほうがいいかもしれない。結局、1トップは前田、大迫、柿谷が横並びの状況ではないか。

 スーパーサブとして期待される豊田陽平、齋藤学はどちらも決定的な仕事はできなかった。ハーフナー・マイクや乾貴士も含め、点がほしいときの切り札を誰にするかの回答は明確にならなかった。

【了】

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