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日本代表 10年前

日本代表“ベスト8”への道。対ギリシャ戦、強力守備崩すカギ握る本田と香川の連動

text by 河治良幸 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Getty Images

試合中の修正力も優れた守備陣

 大迫勇也あるいは柿谷曜一朗がセンターバックの手前で縦のクサビを受けることができれば、本田にツィオリスが付く動きを逆手に取って、その横に香川や岡崎慎司を入りこませてチャンスに結び付けることもできる。

 そこでツィオリスがボール保持者の方にアプローチをかければ、空いた本田が素早く動いてボールをもらい直し、バイタルエリアで勝負することもできる。

 もちろんそうした場面で簡単にフィニッシュを許さないのがギリシャだが、無理に止めにくればPKを獲得する可能性も出てくる。また懸命のブロックで跳ね返されても、クリアが小さくなったリバウンドからゴールを狙うこともできるため、アタッキングサードの選手は集中してセカンドボールに備えたい。

 本田を起点とした攻撃も、何度か繰り返せばギリシャの守備陣に読まれ、ツィオリスの周囲も開かなくなってくる。2012年10月16日に敵地で行われたスロバキア戦ではやはりマレク・ハムシク(ナポリ)という危険なトップ下の選手に苦しめられた。

 彼がバイタルエリアで起点となり、ウィングとのワンツーからペナルティエリア内に入ってきたところでパパスタソプーロスが咄嗟にボールをかき出すなど、序盤はいつ失点してもおかしくない状況だった。

 しかし、途中からバイタルエリアをセンターバックのパパスタソプーロスが意識的に埋め、両サイドバックが中に絞ってディフェンスラインに距離が開かない様にしていた。そうした対応を制限するためにも、サイドバックの参加を活かしたサイド攻撃でギリシャの守備をワイドに開き、中央でツィオリスの周囲を相互カバーしにくい状況にしてから、本田のキープ力と両ウィングの飛び出しを融合した仕掛けで中央を突きたい。

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