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本田圭佑 10年前

さらに増した守備での貢献。ミラン監督の意図から見る、本田が右サイドで起用される理由

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

カカーはセカンドトップ。では本田は?

さらに増した守備での貢献。ミラン監督の意図から見る、本田は右サイドで起用される理由
カカー【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 攻守両面での貢献は、後半も続いた。11分にはヘテマイに体を寄せて自らボールを奪い、12分には自陣深く戻って守備に参加した後にデ・ヨングと小気味よくパスを交換、そこからチームのカウンターへと繋げている。

 本田に絶えずプレスで抑えられたドラメは後半23分に交代。運動量は終盤になっても衰えず、中盤から前線へ50メートルほどのダッシュを何本も試みていた。

 守備の貢献とはいっても、セリエAに移籍して来るたいていの外国人選手はその仕事を受け入れるのに時間が掛かるし、対応出来ずに戦力外となるケースも少なくない。その中で本田は着実にタスクをこなし、献身的に動くことを選択した。

 そうすることで周囲も信頼し、パスを付け、戦術の中で自分のクオリティが出せるようになってきている。ここに来て適応のプロセスは、順調なものになってきたと言える。

 ここまでの2ヶ月間でお分かりかもしれないが、ミランの攻撃陣には守備意識の高い人間があまりいない。サイドバック並みに戻ることもあるカカーも体力的に攻守の両立はさすがにきつく、セードルフは実質上セカンドトップとして起用している。

 この2試合で見せた通り、本田が規律の高さを発揮して中盤のバランサーとして機能し、さらにこの日のアシストのように攻撃面でも継続的に結果を出せれば、立場は不動なものに出来るだろう。

 プレー自体の適応も進み、この日は随分シンプルにパスを繋げていた。「動き方やボールを離すタイミングなどが分かってきたようだ」とセードルフ監督も語っている。次節のジェノア戦はあのガスペリーニが監督におり、サイドアタックの厳しいチームではあるが、この1週間で見せたクオリティがさらに良い形で発揮出来ることを期待したい。

【了】

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