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日本代表 10年前

「今の代表には高さがない」。豊田陽平、鳥栖で磨いた武器で挑む、W杯への最後の戦い

text by 元川悦子 photo by Getty Images , Asuka Kudo / Football Channel

「僕の立ち位置はやっぱり試合の最後のところで仕事をする選手」

「自分が選ばれるとしたら短い時間に流れを変える役割だと思う。まずは自分の身体能力を活かすこと、しっかり守備をすることを考えないといけない。全速力で何本も走るような動きは鳥栖でもやってますし、それをより高めていきたい。

 今の日本代表には高さがないから、そこも自分が売り出さなきゃいけないポイント。守備の部分でも最後の砦にならないと。重要なところでボールをしっかり跳ね返すような仕事も意識的にやりたいと思ってます」と彼は自分に託された役割を明確に理解している。

 ザック監督は、1990年イタリアW杯直前に代表デビューを飾ったにもかかわらず得点王を獲得したサルバドーレ・スキラッチのようなラッキーボーイ出現を強く望んでいる。豊田にその話を振ると「懐かしいですね」と笑いながら、こう話を続けた。

「スキラッチはオールラウンダーってイメージですよね。僕もポストだけでもないし、抜け出すことも好きですよ。ただ、スキラッチがどうこうっていうより、僕の立ち位置はやっぱり試合の最後のところで仕事をする選手だと思う。

 そこをまず考えながらやりたいですね。鳥栖でやってることプラス、日本代表の戦術を理解し、両方のよさを出していかないといけないのかなと思ってます」

 185センチの大型ストライカーが1人いるだけで、日本代表の戦い方のバリエーションは確実に増える。ザック監督にそのメリットを理解してもらい、本田と再びコンビを組めるよう、豊田はこの3日間に全てを懸ける。

【了】

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