【W杯直前ルポ】広がり続ける“反W杯デモ”。SNSで広がる破壊の輪、世界最大の祭典が王国を分断する

ブラジル国内で広がる「反ワールドカップ・デモ」。かつては“サッカーが全て”とも言える存在だった王国が、自らの地で開催される最大の祭典によって分裂されている要因とは?

2014年05月02日(Fri)7時30分配信

シリーズ:ワールドカップ直前ルポ
text by 田崎健太 photo Kenta Tazaki
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サンパウロで勃発したデモ。W杯期間中の混乱に懸念

 今週火曜日、サンパウロでは大規模なデモが行われた。

【W杯直前ルポ】広がり続ける“反W杯デモ”。SNSで広がる破壊の輪、世界最大の祭典が王国を分断する
今年は大統領選挙の年ということもあり、ブラジルではこうしたデモが頻発している【写真:田崎健太】

 このデモは通称「セン・テット」(直訳すると屋根なし)――「モビメント・ドス・トラバリャドーレス・セン・テット」という労働組合が主導するものだった。平たく言えば、ホームレスの集まりである。

 サンパウロの中心地に3000人もの人間が集まり、道路一杯に広がって行進した。デモの参加者は、ゴミ箱を倒し、車のタイヤを積み上げて燃やした。通りのあちこちで煙が立ち上り、騒然とした雰囲気となった。

 ゴミの中にはスプレー缶のようなものが含まれており、炎の中から爆発音が聞こえることもあった。

 今年は大統領選挙の年ということもあり、ブラジルではこうしたデモが頻発している。

 この夜は「セン・テット」に加えて、ワールドカップ反対のデモも起きていた。こちらは参加者が800人程度である。

 かつてのブラジルはサッカーを全てに優先した。ワールドカップでこの国のセレソンが好成績を挙げれば、政治に対する民衆の不満は吹き飛ばすことが出来た。

 しかし――。今年1月25日、反ワールドカップ・デモで135人、続く2月22日のデモでは260人の拘束者が出ている。これは無視できない数字である。

 ブラジルのサッカー関係者が懸念しているのは、ワールドカップ期間中にこうしたデモが起きるか、どうかである。

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