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バイエルンだけでなく――。レアルによって打ち砕かれたドイツサッカーの自信。W杯への不安も

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ブンデスの質は今なお向上。敗北が進化を促す

バイエルンだけでなく――。レアルによって打ち砕かれたドイツサッカーの自信。W杯への不安も
ブンデスリーガの質は今なお向上し続けている【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 バイエルンの敗退を持ってドイツ勢のCLでの戦いは終わりを迎え、今シーズン決勝に辿り着くチームは1つも現れなかったが、振り返れば1回戦でパリ・サンジェルマンに敗れたレバークーゼンも含めて、ドイツ史上初の参戦4チーム全てが決勝トーナメントに駒を進めるという快挙を達成したのも事実である。

 もちろんワルター氏の発言は、ヨーロッパNo.1の称号は早計だったという意味合いなのだろうが、クラブ経営や試合運営などトータルで考えれば、2000年代初頭の改革に始まり、ブンデスリーガの質は今なお向上し続けていると言えるだろう。

 マドリーも昨シーズン、ドルトムントを相手にしたアウェイでの1-4のスコアという衝撃的な敗戦を乗り越えて、今シーズンは決勝まで勝ち進んでいる。敗北が進化を促してきたのが、サッカーの歴史とも言えるはずだ。

 惨劇の夜が過ぎ去った後、バイエルンのドイツ代表選手たちに向けて、アーセナルのエジルはツイッターで呟いた。決勝トーナメント1回戦で粉砕したチームの人間にこう言われて、奮い立たない者はいないだろう。

「顔を高く上げろ、夏は一緒に反撃しようぜ!」

 ドイツサッカーの戦いは、まだまだ終わらない。

【了】

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