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日本代表 10年前

「このままではW杯連覇はない」。アジア杯初優勝も慢心の余地なし。なでしこ若手に求められる“大久保級”のインパクト

女子アジア杯で初優勝を果たしたなでしこジャパン。7大会連続となるW杯出場権も獲得し、来年夏の連覇に向けて強化を加速していく。しかし、澤や宮間ら中心選手からは課題を指摘する声もある。これからの1年間で戦力の上積みは出来るのだろうか。

text by 馬見新拓郎 photo by junior soccer editorial staff

アジア杯初優勝は高く評価。それでも選手の言葉に慢心なし

 連日30度を超える高温多湿の中、約2週間をかけて行われた女子アジア杯(ベトナム)は、なでしこジャパンの初優勝で幕を閉じた。

 女子W杯ドイツ優勝、ロンドン五輪準優勝、そして今回の女子アジア杯優勝と、次々に歴史を塗り替えていく近年のなでしこジャパンは、確かに強い。特に今大会はフルメンバーを招集することができなかった中で、優勝という結果を残したことは非常に高く評価できる。

「このままではW杯連覇はない」。アジア杯初優勝も慢心の余地なし。なでしこ若手に求められる“大久保級”のインパクト
澤穂希【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】

 逆境の中で最高の結果を得た。劇的な勝利があった。その一方で、内容は慎重に分析しなければならない。7大会連続の女子W杯出場を決めたなでしこジャパンは、来年夏の『本番』に向けて強化を加速させていくことになる。その意味で、決勝戦後に選手が口にした言葉の一端には重みがある。

「チームとしての課題はまだある。このままでは正直、女子W杯での連覇はない」(MF澤穂希)

「まだまだチームとしても、個人としてもやらなければいけないことがある。すべてをレベルアップしなければいけなない」(MF宮間あや)

 佐々木則夫監督も大会中に「女子W杯の決勝トーナメントほどのサッカーはできていない」と評している。W杯連覇という難題に挑むまでの1年間で、なでしこジャパンはさらに成長しなければその望みは叶わない。

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