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日本代表 10年前

「このままではW杯連覇はない」。アジア杯初優勝も慢心の余地なし。なでしこ若手に求められる“大久保級”のインパクト

text by 馬見新拓郎 photo by junior soccer editorial staff

不安募る「大儀見不在」。アメリカ、ドイツら強豪との対戦を念頭に強化を

 例えば今回の女子アジア杯では、中国のMF許燕露、オーストラリアのFWデバンナのようなドリブラーを、人数をかけても防ぐことができなかった。

 不用意なポジショニングによって、一瞬でDFライン裏に抜けられる場面が散見された。こういったシーンでは、DFラインとGKだけでなく、MFも連係して相手の攻撃の起点を潰していく工夫が必要だろう。

 フィニッシュにおける相手のミスによって、結果的に失点を免れたため、この課題は見えにくくなっているが、あぶり出された課題は放置せず、事実として受け止めなければならない。

 アメリカのFWモーガン、ドイツのMFマロジャンといった相手と対抗すれば、こういった形は直接失点に結びつく。女子W杯や五輪でアメリカやドイツといった強豪との対戦を念頭に置いて強化を進めなければ、連覇は見えてこないはずだ。

 なでしこジャパンは、決勝トーナメントの全3得点をCKから決めた。これは宮間という類稀なキッカーを生かしたなでしこジャパンの揺るぎない武器を誇示したのと同時に、FW大儀見優季が不在となった時には、ハイプレッシャーに対応し切れず流れの中から得点を奪うことができなかったことも示している。

 考えたくないことだが、大儀見が退場や怪我によって欠場する可能性を考慮しながら、大儀見頼みになりすぎない攻撃を本番までの1年で構築していく必要があるだろう。

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