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意外とゲンを担ぐフランス。3-0、エース・ベンゼマの活躍に国内は超ポジティブな空気

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

経験の浅いグリーズマンの活躍

 そのベンゼマのゴールだが、レキップ紙は「ハットトリックの価値がある2得点」と書いている。実際、相手GKのオウンゴール扱いになった2点目も、ベンゼマのボレーシュートが起点だ。右ポストに当たってゴールの中に跳ね返ったところで、GKがクリアしようとした際にラインを超えた。彼が触っていなくても、ゴールになっていただろう。

 初戦白星、という事実とともに称賛されているのは戦いぶりだ。ホンジュラスのフィジカルパワーむき出しのディフェンス網をうまい具合にかいくぐって、フランスはチャンスを量産した。シュート数はホンジュラスの4に対して20だ。

 フランスが敵陣に攻め込むと、ホンジュラス勢は全員が下がって守備に専念していたが、後半は、相手のMFパラシオスが2枚のイエローカードで退場になったこともあり、「スペースがたくさんあったのでそれをうまく利用して攻められた」と試合後のベンゼマからは余裕のコメントも飛び出した。

 リベリーの不在も、グリーズマンが見事に忘れさせてくれた。レキップ紙は23歳のこの若武者に、全得点に絡んだベンゼマと並ぶチーム最高の8点をつけているが、「ワンタッチでパスをさばき、常に周りの選手の動きを探りながら効果的に動いた」と評されたように、A代表戦5試合目とは思えない重職をこなしてみせた。

 この先、さらにコンペティションが進んでいったときに「リベリーがいれば……」と嘆く場面が来るのかもしれないが、個人的には、彼の不在はむしろ良い方向に作用しているのではないかという気さえする。

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