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大会前から蔓延した満足感。日本代表、必然の苦戦。コロンビア戦で求められる「気持ち」でなく「心」の入れ替え

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

コロンビア戦へ「気持ちの切り替え」ではなく「心の入れ替え」を

 しかし、そんな中で唯一警鐘を鳴らしていた選手がいる。内田篤人だ。

大会前から蔓延した満足感。日本代表、必然の苦戦。コロンビア戦で求められる「気持ち」でなく「心」の入れ替え
内田篤人【写真:Getty Images】

 内田は、ギリシャ戦に向けた練習後の取材に対して「“自分たちのサッカー”が出来れば勝てると思うのか、相手がやらせてくれないレベルだと思うのかは人それぞれ。W杯で勝つのが目標なのか、自分たちのサッカーが出来れば良いのか」と語った。

 さらに、「引くのが悪いって思われたくない。そう言う時間帯は必ずあるし、前からボールを取りにいく時間帯もある。試合中に選手が考えて、それを表現できるのも力かなと思う。それが試合前に分かればいいんだけどね。全部思い通りに行くわけではないし、相手もいることだから」と心境を述べている。

 この内田のコメントは、「“自分たちのサッカー”を表現出来なかった」という言葉が溢れる中で、唯一日本代表の現状を的確に伝えているものだろう。

 それでもまだ、わずかながらでも決勝トーナメント進出の可能性が残されたのは幸運と言える。そして、コロンビア戦に向けて求められるのは「気持ちの切り替え」ではなく「心の入れ替え」だ。

 ザッケローニ監督には、出来ない理想を追求するのを止めてコロンビアを徹底的に分析し、長所を潰すゲームプランを期待したい。選手たちはゲームプランを完璧に実行して、チャレンジャーとして全力で相手に立ち向かう姿勢を見せてほしい。

【了】

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