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Jリーグ 10年前

複数得点を奪っても勝てない横浜FM。プレーに自信が見える徳島はもはや楽な相手ではない

2本のセットプレーで追いつかれ、またも勝利を逃した前節の横浜F・マリノス。2点差をつけても勝ちきれなかった事実は今節にどう影響するだろうか。徳島ヴォルティスは最下位だが、再開後の好転の兆しがある。徳島が勝点3を奪う可能性もゼロではない。

text by 青木務 photo by Getty Images

相手のセットプレーを跳ね返す強さが求められる

 2点差を追いつかれての引き分け。前節の横浜F・マリノスは5試合ぶりの勝利のチャンスをみすみす手放した。

 リードするまでは良かった。新加入のFWラフィーニャが初スタメンを飾ると前半20分には初得点を決める。得点までの過程にも関与するなど、すでにチームにフィットしていることを感じさせた。2点目はエース・MF齋藤学の鋭い反転と冷静なキックによってもたらされたもので、攻撃的な選手がきっちり仕事を果たし、今度こそ勝利を飾れるかに思われた。

 仕掛けのスイッチが入った際に複数の選手が反応しスピードアップする姿は、マリノスの攻撃が機能した証拠だろう。結果的に引き分けに終わったため表情は暗かったが、MF中村俊輔も「流れの中で2点取れたのは良かった」と話した。

 CKから2点を失って勝点1を分け合ったが、マリノスはセットプレーで勝点を失う試合が多い。

 1失点目はDF中澤佑二が柏・DF鈴木大輔にマークを外されてヘディングシュートを決められた。鈴木の頭にドンピシャのボールを送ったDF秋野央樹のキックの精度も称賛に値した。キックの精度は2点目にも共通していたが、「向こうにスカウティングされたと思う」と栗原は言う。

 また樋口靖洋監督も、改善の必要性を語っている。

「これで3試合連続セットプレーが勝点を失う要因になっている。本来、我々はセットプレーが強いと言われているチーム。それが、こういう形になってしまうと、なかなか勝点3には届かない。修正しなければならない」

 点の取り合いで相手をねじ伏せるチームではないだけに、守備面の早急な整備が求められる。

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