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アジア 10年前

タイでプレーする下地奨インタビュー。Jリーグ、南米、そしてバイト生活を経て辿り着いた境地

text by ASEAN FOOTBALL Link photo by ASEAN FOOTBALL Link

「お金もいいタイでやろうかみたいな、ぬるい気持ちで成功するほど甘くはない」

――その中でご自身は外国人選手としてどう行動していますか?

「タイ人に自分の考えや要求を押し付けはうまくはいかない。結果、イライラするだけだってことを去年学びました。そこは割りきって自分のプレーに集中しています。イライラしてる時は集中してない証拠。自分が得点を取ること勝たせればいいんだと考えるようになった。プレーや行動で見せると周りの反応や状況も自然と変わっていきます」

――今シーズンから岩政選手が入りましたがチームへの影響は?

「守備の安定感は格段に高まりました。それだけでなく意識の高い選手が一人入ると周りも変わります。何もせずにチームに馴染もうとするよりも衝突をしたとしてもチームやタイという国に何かを残せればという大樹さんの覚悟や想いが周りの選手たちにも伝わってきたのだと思います。

 その結果タイの若手選手たちも意識が高まって代表に定着しつつありますし、チーム全体にいい影響を与えています。今年のBEC Teroが好調である一つの要因が岩政大樹であることに間違いありません。W杯経験者という肩書きだけでなく実際にグラウンドで見せるプレーや私生活での姿勢やいろいろな話の中でタイ人選手だけでなく、僕自身毎日勉強させてもらっています」

――日本人選手にとってタイでプレーする意義はどの辺にあるとお考えですか?

「選手一人ひとりで違うのかなとは思います。お金のため、夢のため、いろいろある。お金の為じゃないという選手もいるけど、それはたぶん嘘。自分は本当にお金がなくなった経験してるから。ただ目的もなく、なんとなくの流れでタイリーグに来ても失敗します。お金が目的なら本気で稼ぎに来ないと。またJリーグでダメだったから、なんとなくお金もいいタイでやろうかみたいな、ぬるい気持ちで成功するほど甘くはないと思います」

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