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日本代表 10年前

「日本の現状を俺らが変えていかないといけない」。W杯の惨敗から成長を遂げた柿谷。勝利を追求する姿勢を示す

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「全員でハードワークできたらいいと思う」

 勝利へのこだわりが強まったのは、日本代表全体の変化でもある。

「日本の現状を俺らが変えていかないといけない」。W杯の惨敗から成長を遂げた柿谷。勝利を追求する姿勢を示す
岡崎も「大雑把に言うと勝つことが一番大事」と語る【写真:Getty Images】

 岡崎も「大雑把に言うと勝つことが一番大事。どんな親善試合だろうと、それが日本代表だと思うし、今は必死になって勝ちをつかみにいくことを思い出しているところ」と語気を強めていたが、柿谷もブラジルで味わったような悔しい思いは2度としたくないと自分に言い聞かせているのかもしれない。

 だからこそ、9日のベネズエラ戦(横浜)は勝ち星をもぎ取らなければいけない。7日の公開練習で本田、大迫勇也(ケルン)と主力組の3トップに陣取った柿谷はスタメン出場が濃厚となった。

 アギーレ体制の3トップの外の2人は凄まじいアップダウンを繰り返し、息をつく間もなく攻守両面に絡み続けなければならない。そのタフな仕事に彼は果敢に挑んでいくつもりだ。

「アギーレ監督のサッカーはどこもスペースを埋めないといけないので、体力的にはきつくなってきますけど、運動量のところよりも質を高めながらやりたい。

 自分たちのボールを持ってる時間を長くすれば、それほどチームはラクになる。もちろん守備に回る時間もあるだろうけど、全員でハードワークできたらいいと思います。

 左でやる時は佑都(長友=インテル)君といい連携でできればいい。全員で勝ちに行くことを前提に、今まで練習してきたことを少しでも多く出せればいいかなと。

 今はウルグアイ戦の前の改善というより、色んなことにチャレンジしていくべきだと思っている。選手たちや監督が思っていることを合わせながら、90分間いい戦いをしたいですね。

 監督が変わっても、今までの代表メンバーでやってきたこともあると思う。ただ、それだけじゃ絶対に勝てない、監督の考えをプラスアルファして、自分たちのものにしながらチームを強くしていければいいと思います」

 顔つきも精悍になり、プロフェッショナルらしい大人のフットボーラーらしい一挙手一投足を見せるようになった柿谷。彼のピッチ上での変貌ぶり、そしてチームを勝利に導くゴールという結果を、次こそはぜひとも見せてほしいものだ。

【了】

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