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日本代表 10年前

“選手≠タレント”。大ブレークの武藤、過剰な注目は避けるべき。才能を育むのは周囲のサポート

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

選手の成長のためには周囲のサポートが必要

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エドゥは彼の成長のために好ましい環境を作ることの重要性を語っている【写真:Getty Images】

「彼は良い選手だ。非常に若く、クオリティーも高いし、強くて速い。ドリブルも良い。現時点では彼には素晴らしい将来が待っていると思う。話を伝える方法も知っているしね。そして、彼をサポートしてくれる良い家族も持っている。良い父、良い母…。何より彼は良い男だ」

 武藤は確かなインテリジェンスを持っている(ピンクのスパイクはさておき…)。トップレベルの選手の周囲に渦巻く富と名声への誘惑に惑わされるような人間とは思えない。

「僕はまだ何も成し遂げてはいない」と、彼は代表デビューとなったウルグアイ戦の翌日に語っていた。さらに、「代表に定着するためにはもっと多くのことをやり続ける必要がある」と続けた。

 3日後、彼は再びハビエル・アギーレのためにベンチから登場し、自信に満ちたプレーによってセンセーショナルなゴールを決めて自らを国民の脳裏に焼き付けた。

 彼が“日本の武藤嘉紀”と呼ばれるためにも、高いレベルで冷静さを保つことが望まれる。それに対する責任は、単に彼だけが背負うものではない。

 そして、エドゥは彼の成長のために好ましい環境を作ることの重要性を語っている。

「もちろん、彼は良い選手だ。しかし、あらゆる良い選手はクラブ、両親、人々からのサポートを必要としている」と、彼は述べた。

「これは凄く重要だ。段階的に成長するためにも、現在の良い仕事、良い練習、良いメンタルを保たなければならない。彼がもし『俺は凄い、スーパースターだ』と思い始めたら終わりだ。だからこそ、彼は誰からも良いサポートを受ける必要があると思う」

 それは、ファンもメディアも含まれる。是非、彼のポテンシャルに興奮して欲しい。しかし、我々は彼が自分自身に心を奪われることを望んではいない。そして、我々もそれをしてはいけない。

【了】

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