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本田圭佑 10年前

インザーギとモンテッラ、ともに同世代の名手が指揮。“厄介な存在”本田を通して繰り広げる駆け引きに注目

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ともに同世代の名ストライカーが指揮。前日会見でも“火花”

「我われが攻撃の枚数を削り、守備を固める試合をすることは許されない」とインザーギ監督は言ったが、慎重なアプローチは不可欠だろう。守備一辺倒にならないようにしながら、ラツィオ戦やユベントス戦のようにカウンター主体の攻撃を取るものと思われる。

 つまり今回の試合で本田には、これまでの試合で見せてきたスプリントが今まで以上に要求される。

 味方の展開を必ずフォローし、エル・シャラウィかメネズがドリブル突破で運んだボールや、後方から一気に裏を狙ったミドルパスに反応。マーカーからタイミングを盗んで一歩先にゴールエリアへと駆け込み、流れの中から5ゴールを奪ったその動きが、カウンターを完結させる要素として不可欠なものとなる。

 もっとも、フィオレンティーナもその辺は警戒してきそう。モンテッラ監督は地元紙のインタビューで「選手としてはヘタクソだったが、ピッポは監督として天才的なアイディアを持っている。本田に適正なポジションを見いだしたのがその一例で、彼はちょっと厄介な存在となった」と語っていたが、果たしてどんな手を用意して対応してくるのか。

 なお上記の台詞を前日会見で振られたインザーギ監督は「現役時代316ゴールを上げたオレに“ヘタクソ”とは良く言った」と笑っていた(両者は仲が良いらしい)。

 同世代の名ストライカー同士で、下部組織での研鑽からたちまち評価を上げた経緯も良く似ている。インザーギとモンテッラが、本田を通してどんな駆け引きを繰り広げるのかにも注目だ。

 最後に、ガゼッタ・デッロ・スポルトによる両チームの予想スタメンは以下の通り。

 ミラン(4-3-3)GKディエゴ・ロペス、DFアバーテ、アレックス、ラミ、デ・シーリオ、MFポーリ、デ・ヨンク、ムンタリ、FW本田、トーレス、エル・シャラウィ

 フィオレンティーナ(4-3-1-2)GKネト、DFトモビッチ、ゴンザロ・ロドリゲス、サビッチ、アロンソ、MFクルティッチ、アクイラーニ、ボルハ・バレーロ、マティアス・フェルナンデス、FWクアドラード、ババカル

【了】

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