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ドルトムント、希薄な戦いでついに最下位確定。実らなかった決定機に見る最大の原因とは?

text by 本田千尋 photo by Getty Images

レヴァンドフスキの後釜を見つけられず

 ドルトムントは6分、センターラインの手前でオーバメヤンの落としから香川が前を向いてドリブルを開始、オーバメヤン、ムヒタリヤンとともに3対2の状況を作り出す。しかし、香川からパスを受けたムヒタリヤンは決め切ることが出来ない。

 9分、香川からパスを受けたムヒタリヤンが、ドルブルで相手陣内へと仕掛けていくが、オチプカにあっさりとカットされる。誰もがどうにかしたがっていたが、攻撃が形として実ることはなかった。

 フランクフルトは、ディフェンスラインをピッチの幅いっぱいに開いて、GKのビートバルトを含めてのゆったりとしたパス回しから、ロングボールを前方、サイドへと送る。

 アーセナルと同様に、ドルトムントのプレスを交わすために、フランクフルトも中盤でのパス交換を避けた。そして、右のアイクナー、チャンドラーといったように、サイドを起点としてドルトムントを攻める。

 23分にはグロスクロイツのシュートがクロスバーを叩くなど、ドルトムントもチャンスを全く作れなかった訳ではなかった。しかしチャンスはチャンスのままで潰え続けた。フランクフルトに比べて、ドルトムントはチームとしての戦い方が希薄だった。

 そしてその原因は、現在のチームの中で特定の誰かにあると言うよりは、やはりレヴァンドフスキの後釜がはっきりとしないことにあるようだ。要するにワントップの軸が定まらないこと、である。

 その意味では、今季のドルトムントは、昨季の今頃のシャルケの状態に似ていると言えるだろう。もっとも、シャルケはここまでひどくはなかったが。

 昨シーズン、フンテラールを開幕後早々に負傷で欠いたシャルケは、期待されたサライが代役としての役目を十分に果たせなかった。

 ボアテングも務めるなど、ワントップの軸が決まらず、ボールが前で収まらなかったため、チーム全体が不安定なまま失点を重ねた。その状態は結局、ウィンター・ブレイク明けのフンテラールの復帰まで続いた。

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