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香川真司 9年前

「乗り越える」気概は見せるも、いまだ連係が確立されない香川。もどかしさの残る首位通過

text by 本田千尋

気概は見せるも周囲との連係が確立されず

 香川が「最後のところで絡めていない」と言うように、対アンデルレヒト戦のゲームを通して、香川が欲しいタイミングでボールを貰えない、という場面は散見された。

 プレーの中に、もどかしさが残り続ける。香川のプレーが、全く悪いという訳ではなかったが、それ以前に周囲との連係がまだまだ確立されていないところがある。

 29分、サヒンのカットをグロスクロイツがパスするが、上手く香川に渡らず。33分、香川のサヒンへのパスがカットされ、アンデルレヒトにカウンターを喰らう。

 もちろんサヒンは復帰して初の先発となったなど、今日初めてともにプレーする選手はいた。しかし、トラップが上手く行かないところもあるなど、香川のプレーになかなか着実性が感じられるところもなかった。

 それでも「積極的に入ろうとした」後半、46分のシュートなどに、香川のフットボーラーとしての気概が現れていた。

 58分のドルトムント先制ゴールは、中央で受けた香川から、サヒン、インモービレと?いで生まれたものである。香川が試合を通して、連係やプレーが中々上手くいかないながらも、状況を打ち破ろうと、乗り超えようと気概を持ち続けたことは確かである。

 ドルトムントのチームそれ自体には、先発したサヒンを始め、途中投入されたキルヒ、ブワシュチコフスキなど、長期離脱者達が次々とピッチに戻ってくることで、少し新鮮な空気が流れていた。

 しかしそのまま1-0で終わるかと思われた84分、ミトロビッチに同点ゴールを決められてしまう。そして香川はブワシュチコフスキと交代となった。

 そのままゲームは終わる。ドルトムントと香川は、もどかしさを残しながら、CLグループDの首位突破を決めた。

【了】

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