古巣に復帰も満足な結果が出ず
思い出されるのは、ケールの言葉である。
「シンジは時間を幾分か必要とするだろう。彼は再び自信を蓄えなければならない。人々は彼が全盛期にもたらした彼の成果をすぐに期待すべきではない」
香川真司がマンチェスター・ユナイテッドからボルシア・ドルトムントに復帰して間もない頃、9月4日付のキッカー紙にドルトムントの前主将であるケールはそうコメントを残した。
12月9日に行なわれたホームでのアンデルレヒト戦を1-1で終えて、ドルトムントは欧州チャンピオンズリーグのグループDを首位通過することとなった。6戦を終えて4勝1分1敗、14得点4失点と堂々の結果である。
一方で国内ブンデスリーガに目を向けると、絶不調の最下位で迎えた5日のホッフェンハイム戦を1-0のスコアで勝利して、14位に浮上した。しかし、最下位シュトゥットガルトとの勝ち点差は2と、依然として気を抜くことは許されない。上位争いという本来の場所とは、遠く離れた位置にいる。
そしてそのチーム状態と比例するように、香川も自身の言う「結果が出ない中」にあり続けている。格下相手とのドイツカップを除けば、1ゴールという「結果」を残したのは、今のところ、復帰後初戦のフライブルク戦に留まっている。
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