「連覇にチャレンジできるのは僕らだけ」
2007年大会では苦戦を強いられ、準決勝敗退【写真:Getty Images】
遠藤が初めて出場した2004年中国大会は、反日ムード一色で、完全アウェイ状態での戦いだった。欧州組も中村俊輔(横浜)、川口能活(岐阜)ら数人が参加しただけで、日本代表はベストメンバーに程遠い陣容だった。
そういう中で日本は何度も地獄の淵を味わった。遠藤自身も準決勝・バーレーン戦(済南)でシンガポール人主審に不可解なレッドカードを突きつけられ、決勝・中国戦(北京)は出場停止。それでもチームメートの助けがあってアジア制覇を果たした。
次の2007年東南アジア4ヶ国共催大会は、同じく苦しい戦いを強いられた挙句、準決勝・サウジアラビア戦(ハノイ)で不覚を取った。韓国との3位決定戦(パレンバン)でもPK戦で敗れた。今回も2011年カタール大会に続く連覇がかかっているが、遠藤はその難易度の高さを誰よりも熟知しているに違いない。
「全チームが優勝したいと思っているでしょうし、そんなに簡単には勝たせてくれないから連覇は非常に難しいことだけど、それにチャレンジできるのは僕らだけ。持っているものを出し切れは十分可能なことだと思います」
それに加えて、ハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表にとっては、これだけ長期間活動できるチャンスは滅多にない。指揮官は31日の練習でDF、MF、FWを4-4-2の形でフラットに並べて攻守両面の戦術確認を行ったが、これまでの4-3-3、4-2-3-1にプラスして、4-4-2は3つめのオプション。
これから3バック、5バックなどにもトライする見通しで、選手たちは頭をクリアにして挑まないと、全ての戦い方を吸収しきれないだろう。
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