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日本代表 9年前

再考されるべき“10番・香川”の起用。長期間結果を残せず、重圧に勝てないメンタルの弱さ

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

明らかに落胆した香川。弱いメンタルは失敗を繰り返す

 彼はもう長いことレギュラーとしてプレーしている。だからこそ、延長に入った時点で結果を残す義務があったといえる。

「最終的にはPK戦にもつれ込んだ。確率は50%で、あとは選手の判断」。アギーレは試合後の会見でそう語っている。

 PKの“決め方”を熟知していた遠藤保仁は、残念なことにすでにベンチに下がっていた。その遠藤は、「(PKは)運だけではなく、技術やメンタルといったあらゆること(が重要)」と、試合後のミックスゾーンでそう私に話してくれた。

「運とはまた別のもの。十分に力を込めてサイドネット目掛けて蹴れば、ボールはそこに飛んで行く。それはもう技術とメンタルのみ」

「みんなプレッシャーを感じていた。何人かは成功させることが出来て、何人かは失敗した。みんなに同じようにプレッシャーがあったと思う。真司と圭佑は失敗したが、2人のメンタルが弱いとは思わない」

 香川はミスをしたことで明らかに落胆していた。取材に応じた彼の声はかろうじて聞き取れるほどの大きさだった。

「最後に自分が外して負けたことは意味があること」と香川は語る。「何かしら、自分にまだまだ足りない部分がある。それが精神力か、何なのかはわからないです」と続けた。

「(PK戦は勝てると)信じていた。だからこそすごく申し訳ない」

 今後も彼には代表で多くのチャンスが与えられるかはまだ不透明だ。謝罪が続くようでは失敗のパターンは繰り返されてしまう。そうなる前にチーム、そして自身のためにも香川には心の成長が求められる。

【了】

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