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類を見ないポルトガル人監督によるCL。勝ち残った“マディラの真珠”は富豪の舌を唸らせるか

text by 齋藤祐太 photo by Getty Images

年齢的には“ヴィーニョ・ベルデ”でも、すでに“ヴィーニョ・ダ・マデイラ”の成熟感

類を見ないポルトガル人監督によるCL。勝ち残った“マディラの真珠”は富豪の舌を唸らせるか
モナコはCL決勝トーナメントでヴェンゲル監督率いるアーセナルと対戦する【写真:Getty Images】

 40歳という若手ながらすでに多くの経験を積み、貫禄すら感じさせる彼を、母国の名産品であるワインを用いて形容するとしたら「ヴィーニョ・ダ・マデイラのように熟成したヴィーニョ・ベルデ」とでも言えようか。

 彼の故郷であるマディラ島の名産品「ヴィーニョ・ダ・マデイラ」。日本では「マディラワイン」として親しまれている。スペインのシェリーやポルトガル北部のポートワイン(ポルトガル名は「ヴィーニョ・ド・ポルト」)と並んで、世界の三大酒精強化ワインとして名を馳せ、「マディラの真珠」とも称される名酒だ。バニラやナッツを焦がしたような芳醇な香りを特徴とし、数年から、長いものは数十年に渡って熟成される。

「ヴィーニョ・ベルデ」は彼が率いたブラガを擁する、ミーニョ地方の名産品である。日本語に直すと「緑のワイン」、すなわち、若いワイン。通常よりも早摘みの葡萄を使うため、香りがフレッシュでアルコール分が少なく、非常に飲みやすい微発泡の白ワインだ。

 ポルトガルが世界に誇る、対照的な特徴を持った2つのワイン。年齢は、早くして摘み取られたヴィーニョ・ベルデでも、風貌やキャリアは、数十年をかけて熟成されたヴィーニョ・ダ・マデイラとも言えるこのレオナルド・ジャルディン。世界中の富豪が集まるセレブの街モナコで、彼の味が心地よく受け入れられるか。

 決勝トーナメント進出を決め、その存在が認められつつあるいま、ヨーロッパと国内リーグの両方においてさらなる成果を残したとき、モナコ全土のレストランでレオナルド・ジャルディンという名酒が堪能されることだろう。

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