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戦火に包まれていたドネツク、その中で勇気を失わないシャフタール。バイエルンにとって「困難な試合」

チャンピオンズリーグのベスト16、バイエルンはシャフタールとのアウェイ戦に臨む。シャフタールの本拠地ドネツクは、直前まで戦火に包まれていた。スタジアムも使用できない中で、それでもシャフタールの選手たちはモチベーションを失っていない。バイエルンにとってあらゆる観点から困難な試合が待ち受けている。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「選手はとてつもない成果をもたらさなければならない」

「選手はとてつもない成果をもたらさなければならない」
アリエン・ロッベン【写真:Getty Images】

「ウクライナへの旅はどのくらい危険なのだろうか?」と記したのは、2015年2月16日の独大衆紙ビルトである。

 17日より、欧州チャンピオンズリーグの決勝ラウンドが始まる。ドイツ王者バイエルン・ミュンヘンは1stレグをアウェイで、ウクライナ王者シャフタール・ドネツクと対戦する。バイエルンはグループEを首位で、シャフタールはグループHを2位で通過した。

 16日付のキッカー紙にロッベンは語った。

「我々は確かにフットボーラーだ。しかしその前に1人の人間だよ。その土地が戦火に包まれていることは既に知っている」

 ロッベンの言う「その土地」、つまり「ドネツク」はウクライナ政府軍と親ロシア派との間で戦争状態にあった(15日午前0時停戦発効)。ドネツクにあるシャフタールのホーム・スタジアム、ドンバス・アレナも砲火に晒されている。

 シャフタールは練習拠点を首都キエフに移し、西部リヴィウで国内リーグ、そしてCLを戦ってきた。ドネツクからリヴィウまでの距離は、およそ1030kmである。

 ビルト紙によれば、バイエルンは16日14時45分にミュンヘンを発ち、17日の試合が終わって2時間後、0時30分には現地を発つという。

 キッカー紙は「スポーツ的な観点から」とした上で、「ロッベンは“極めて困難な試合”を待ち受けている」とした。ロッベンは「火事場のような危険な状況では、選手はとてつもない成果をもたらさなければならない」と言う。

 キッカー紙によるシャフタール戦のバイエルンの先発予想は次のとおり。布陣は4-3-3である。

【GK】ノイアー【DF】右SBラフィーニャ、右CBボアテング、左CBダンテ、左SBベルナト、【MF】ゲッツェ、シュバインシュタイガー、アラバ、【FW】ロッベン、ミュラー、リベリー。

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