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パリで掴んだひとつのアウェイゴール。モウリーニョは“CL優勝”の有言実行を果たせるか

text by 山中忍 photo by Getty Images

第2レグまでに主力の復調なるか

 試合後のモウリーニョは、風邪が治りきっていない状態で先発したセスク・ファブレガス、同じくスタメンのエデン・アザールとウィリアンに途中出場したオスカルの2列目トリオ、そして、攻撃参加を担当する右SBイバノビッチが、怪我で6日前のリーグ戦からまともな練習ができなかったことを明かしている。加えてCFのジエゴ・コスタも、国内での3試合出場停止処分で実戦から遠ざかっていた。

 つまりチェルシーは、そもそもプレミアリーグで首位を走る今季の特長である攻撃力の発揮が難しかった一戦で、中盤のブレイズ・マテュイディが動力源となって攻撃が機能していたPSGを相手に結果を手にしたのだ。指揮官の納得は、わざわざ相手監督のローラン・ブランを待って笑顔で握手を求めた試合終了直後の姿からも窺えた。

 結果として、3月11日に行われるホームでの第2レグではスコアレスドローでも準々決勝進出が決まる。だがPSGは、持ち前の攻撃力に第1レグで奪われたアウェイゴールを帳消しにする執念が加わっている。

 引き分けでの逃げ切り狙いは、守勢一方の90分間となって墓穴を掘りかねない。チェルシーは、システムを基本の4-2-3-1に戻し、マイボール時には初戦よりも攻撃に人数を割いて勝負を決めにいくだろう。

 第2レグまでの3週間には、セスクの体調はもちろん、前線の顔ぶれの調子も上がる。ダブルボランチの1枚が体調万全のセスクであればボール支配率も上がる。第1レグでは出場停止によるブランク以上にチャンス供給のなさが痛かったD・コスタは、相性抜群のセスク、ラストパスの判断と精度が良くなっているアザールらによる支援が期待できる。

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