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パリで掴んだひとつのアウェイゴール。モウリーニョは“CL優勝”の有言実行を果たせるか

text by 山中忍 photo by Getty Images

優勝を見据える指揮官

パリで掴んだひとつのアウェイゴール。モウリーニョは“CL優勝”の有言実行を果たせるか
チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督【写真:Getty Images】

 無論、PSG側も故障者が復帰するが、その関係で初戦ではボランチに回ったダビド・ルイスがCBの定位置に戻れば、チェルシーには好都合かもしれない。モウリーニョが昨夏にルイス売却を決めた理由には、PSGが提示したDFとしては世界最高の移籍金と共に、CBとしての安定度不足がある。パリでの失点シーンをみる限り、問題点は改善されていないようだ。

 ルイスは、古巣との初戦後に「チェルシーはたった1度のチャンスを決めただけ」と言ってPSG優勢を強調していたが、唯一のピンチを防げなかった原因は自らにある。FKからの流れで自軍ゴール前にいたルイスは、マークしていたイバノビッチをあっさり逃がしてヘディングを許している。

 今回の第2レグでは、前回は怪我で欠場したイブラヒモビッチが第1レグと同様にPSGの3トップ中央にいるはずだが、これもチェルシーにとってあながち悪いことではない。警戒すべきは巧さと高さであって速さではないことから、機動力は高いが若いクルト・ズマを先発させる冒険を避け、経験値の高いテリーとケイヒルのCBコンビでリターンマッチに臨めるのだから。この点も、決勝トーナメント1回戦の抽選を前に、モウリーニョがPSGとの対戦を希望した理由の1つに違いない。

 有言実行型の指揮官は、グループステージを終えた時点で「今季はCLでも優勝を狙える」とも発言していた。昨季はモウリーニョ采配の妙が改めて認められたPSGとの第2レグ。今季は従来のしぶとさに攻撃力が加わっているチェルシーが、CL優勝候補としての実力を再度世に示すチャンスだ。

【了】

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