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CLベスト16、1stレグ。“圧倒的有利”ではないアーセナル。「1-0のモナコ」は最も苦手な相手か

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

対照的なチームカラー。アーセナルに慢心は禁物

 対してアーセナルは、プレミアリーグ26試合で29失点と悪い数字とは言えないが、不用意な失点が目立つ。

 GKシュチェスニーが喫煙問題でポジションをはく奪された後、オスピナがゴールマウスを守ってからはマンチェスター・シティ戦を含む3試合連続で完封するなど安定感が出たかと思われたが、ここ3試合で計4失点。相変わらずのムラっ気でファンをヤキモキさせている。

 つまり、モナコはアーセナルが最も苦手とするタイプのチームといえるだろう。アーセナルが圧倒的に攻め込みながらも点が奪えず、モナコが少ないチャンスをものにする…。そんな展開になることも十分考えられる。

 とはいえ、モナコに欠場者は多い。リカルド・カルバーリョ、ジョアン・モウチーニョ、ラッギ、バカヨコが負傷で、トゥラランは出場停止。

 基本システムはアンカーを置いた4-3-2-1で、カルバーリョとラッギはCB、トゥラランはアンカー、モウチーニョとバカヨコはインサイドハーフと全てセンターライン。特に、トゥラランとモウチーニョは中盤で攻守に高い貢献が期待できるだけに、彼らの不在は大きな戦力ダウンだろう。

 90分間集中を切らさず守備を固めて、ベルバトフら攻撃陣は決定機を確実に得点につなげる必要がある。

 ただ、アーセナルの負傷者に関してもアルテタ、ディアビ、ドゥビュシー、チェンバレン、ラムジーと相変わらずの多さとなっている。それだけに、新加入ながらすでにチームの顔となったアレクシス・サンチェスやカソルラ、ジルー、エジルといった攻撃陣に慢心は禁物。

 ヴェンゲル監督は、名古屋グランパスを率いた95年、96年(途中退任)より前の87-88シーズンから93-94シーズンまで7シーズンの間モナコの指揮を執り、リーグ戦で1度、カップ戦で2度の優勝に導いている。指導者としての礎を築いたともいえる古巣との一戦は感慨深いものがあるはず。

 下馬評ではアーセナルの圧倒的有利とされているが、対照的な特徴を持つモナコも決して侮れない相手だ。

【了】

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