フットボールチャンネル

プレミア勢、あまりに早いCL全滅。戦力面・資金面では欧州随一のはずがなぜ?

CLに4クラブを送り込んだプレミアリーグだったが、ベスト16という早い段階で全滅した。戦力的にそこまで見劣りはせず、資金面では有利だ。ではなぜこのような結果になってしまったのか。それぞれのクラブとリーグの問題点とは?

text by 山中忍 photo by Getty Images

全滅したプレミア勢

プレミア勢、あまりに早いCL全滅。戦力面・資金面では欧州随一のはずがなぜ?
ヤヤ・トゥーレ【写真:Getty Images】

 3月18日、バルセロナとの決勝トーナメント1回戦2ndレグ(0-1で敗戦)でマンチェスター・シティのCL敗退(合計スコア1-3)が決まり、今季CLでの「プレミアリーグ勢全滅」も決定した。「パスを繋げず、ミスも犯した」と選手を責めたのは、シティがアウェイゴール2点のハンディを背負った1stレグ(1-2)後のペジェグリーニ監督。だが今季の早期敗退は、ペジェグリーニら監督陣にも少なからず責任がある。

 同情の余地があるのは、チームはグループステージで敗退しているがリバプールのロジャーズ監督ぐらい。選手層を含む手元の戦力がプレミア勢4チーム中で最低だったのだ。欧州王者としての血統はプレミア随一でも、現在のリバプールはCLで優勝を争えるチームではない。

 となれば、ロジャーズが現実性と必要性の高い国内トップ4争いを優先しても無理はない。チェルシーとのリーグ戦を4日後に控えたグループ第3節(0-1)では、相手がレアル・マドリーでもジェラード、スターリング、コウチーニョ、ヘンダーソンらの主力をベンチに温存して臨む決断を迫られている。得点源となるべきスタリッジの長期欠場と、新たな最終ラインの要と期待したCBロブレンの不振も苦戦に輪をかけた。

 対照的にシティの総合力は国内最高レベルだ。しかし、指揮官が戦力の配し方を誤った。ペジェグリーニはバルセロナとの初戦で4-4-2システムを採用。中盤中央のフェルナンドとミルナーの運動量がいかに豊富でも、臨機応変に中盤が5枚にも6枚にもなる4-3-3の敵を前にはマークの対象さえ絞れず、前半30分足らずで2点を追う展開となった。

 1stレグでは中盤の核Y・トゥーレが出場停止だったが、シティはY・トゥーレが先発した昨季16強でのバルセロナ戦1stレグでも、中盤に4名をフラットに並べた陣形で2失点。ペジェグリーニは前回の失敗から学べなかった。国内では首位チェルシーを追い抜けずにいるシティの監督には今季限りの声が強く、来季CLでの名誉挽回は難しい。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top