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プレミア勢、あまりに早いCL全滅。戦力面・資金面では欧州随一のはずがなぜ?

text by 山中忍 photo by Getty Images

過ちを繰り返したアーセナル

プレミア勢、あまりに早いCL全滅。戦力面・資金面では欧州随一のはずがなぜ?
アーセナルのヴェンゲル監督も同じ過ちを繰り返した【写真:Getty Images】

 アーセナルのヴェンゲル監督も同じ過ちを繰り返した。16強でのCL敗退は5年連続。アウェイゴールに泣くのも初めてではない。今季は格下と言えるモナコとの対戦(計3-3)でも、ホームでの初戦で失点を重ねた。

 前半に奪われた先制点はコンドグビアのミドル。ペナルティエリアの手前で3メートル四方のスペースを与えたのでは狙いを定められても当然だ。後半の2失点はカウンターから。特に53分の2点目は、1点を追う立場だったとはいえ、後半早々にゴール前で1対2の数的不利に陥るような前掛りは信じ難い。ハーフタイム中にヴェンゲルの適切な指示があれば避けられたはずだ。パス巧者の集団をCLで着実に勝ち上がる試合巧者へと進化させるには、意識が攻撃に偏りがちな指揮官にも変化が必要だ。

 チェルシーを率いるモウリーニョは、その試合巧者へとチームを仕立て上げる腕前に長けている。リスク回避の徹底は見事なものだが、今季のパリ・サンジェルマン戦(計3-3)では、指揮官の慎重さが裏目に出たと言わざるを得ない。

 ホームでの2ndレグ(2-2)は、序盤のうちにプレスをかける位置を下げて試合をスローダウンさせたまでは良かったが、敵が退場者を出して10人になった31分以降も、モウリーニョがペースアップと攻勢をチームに要求する様子は見られなかった。初戦でアウェイゴールを奪っていた指揮官の頭には、数的優位も得たことでスコアレスドローによる無難なベスト8入りが実現しやすくなったという考えがあったのではないだろうか?

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