フィニッシャーとして活かされるために
もっとも、ペップが引いて固めないまでも、プレスを外すためにロングボールを比較的多用してくる可能性は考えらえる。前線に素早くボールを送って、少ないタッチ数で縦に速く攻めるところは、昨季と比べて今季のバイエルンに見られるところである。
しかし、ロッベンとリベリーを負傷離脱で欠いており、縦のスピードという変化を加えることが出来るのはベルナト、またはラフィーニャのみとなっている。若干の戦術的制限がバイエルンにはあるのだ。
また前期の一戦を決定付けたロッベンとリベリーを欠くことも、今回のクラシコが拮抗する一因となるだろう。
香川が前節ハノーファー戦でゴールを挙げたことで、ドルトムントの前線に少し勢いが生まれているところもある。3月7日の第24節、ハンブルガーSVとの試合の後で、香川は出し手としてだけでなく、受け手としても活かされるようになるために、より自己を出していくことの必要性を口にしていた。
香川×ペップ・バイエルン――。ドイツ・クラシコは、パサーとしてもフィニッシャーとしても、自分を出し切るには、これ以上ないゲームだ。
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