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「欠けている何か」を模索して――。ドルトムントを去るギュンドアン。尊重されるべき24歳の決断

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「キャリアの1年」の重みを知るギュンドアン

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多くのクラブが興味を示している【写真:Getty Images】

 2011年にニュルンベルクから移籍した直後の約半年を失ったときには、「展望を取り戻すことが出来て良かった」とポジティブなものを見出したギュンドアンだが、2013年8月からの14ヶ月を失ったことに対しては、そうは行かなかった。サッカー選手に与えられた時間の長さを考えれば、「キャリアの1年」がどれだけの重みを持つのかは、想像に難くない。

 今回ギュンドアンが下したBVBとの契約を延長しないという決断は、その14ヶ月を乗り越えているからこそ、尊重されるべきものだろう。選手としての時間が限られている中で、14ヶ月もの期間を失えば、キャリアに対して否が応でも自覚的にならざるを得ない。

「24歳」という選手人生の半ばに差し掛かろうとするギュンドアンが、「今は別の可能性を模索している」ことは、何ら不思議なことではないのである。

 また先のルール・ナッハリヒテン紙でギュンドアンは、「あなたにとってフットボールのない生活とは?」という問いに対して、次のように応えている。

「完璧な感触はない。何かが欠けている」

 復帰して約半年が経った。しかしギュンドアンの中では、まだ「何かが欠けている」のかもしれない。

 移籍市場専門サイトのトランスファーマルクトによれば、ギュンドアンに興味を示しているのは、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、アトレティコ・マドリー、そしてバイエルン・ミュンヘンとも言われている。

「完璧な感触」はどこにあるのだろうか。

【了】

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