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日本代表 9年前

ハリルが求めるトップ下の役割とは? 独自の視点で見出した柴崎と遠藤の可能性、鹿島とは異なる“中盤のオーガナイズ”

text by 河治良幸 photo by Getty Images

待ち受ける香川や清武らとの激しい競争

ハリルが求めるトップ下の役割とは? 独自の視点で見出した柴崎と遠藤の可能性、鹿島とは異なる“中盤のオーガナイズ”
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 同じ[4-2-3-1]でもザッケローニは1トップ3シャドーを意識しており、現在の鹿島に類似する部分があった。アギーレはザッケローニとハリルホジッチの中間と言えるかもしれない。

 そうした事情の中で、ハリルホジッチが「FWの後ろでプレーしたらどうなるか。左足のテクニック、パスやビジョンも素晴らしい」と評価する遠藤がハイテンポなサッカーにどういうアクセントやバリエーションをもたらすのか。柴崎とはまた違う特徴を持つだけに、互いの良さが大いに発揮される形でハイレベルな競争を期待したい。

 もちろん彼らには得点力も求められるが、ハリルホジッチがトップ下の選手を攻撃的なMFとして位置づけるのは、中盤の高い位置での役割が多岐に渡るからであり、実質的な[4-2-1-3]の「1」として幅広い機能性を示さなければ人材豊富なポジションで生き残ることはできない。

 6月にスタートする二次予選に向けては香川と清武の欧州組に柴崎、さらに合宿の評価次第で遠藤が加わってくるが、本来の資質から考えれば本田圭佑も右ウィングよりトップ下の方がハリルホジッチのチームで真価を発揮しやすそうだ。また今回は選ばれていないが、同じ鹿島でトップ下を担う土居聖真なども黙ってはいないだろう。

 先にも書いた様に、“中盤の異なるオーガナイズ”や戦術的な狙いによって中盤の形が変わることもあれば、ウィングの役割がMF的になることもあるのがハリルホジッチのスタイルだが、基本コンセプトから考えれば[4-2-3-1]のトップ下が非常に競争の激しいポジションになることは間違いない。

 短い合宿の中で、柴崎と遠藤がハリルホジッチからどういった指導を受け、どの様にアピールし、何をクラブに持ち帰るのか。今後の競争を展望する意味でも注目したいポイントだ。

【了】

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