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ハリル監督、惨敗続きの日本を「抜本的に変え勇気づけた」。自らにも厳しい視線要求

text by 編集部 photo by Getty Images

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ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 開始早々の5分、柴崎の縦パスの反応した本田が先制。32分のチーム3点目は本田、香川、柴崎、宇佐美とつないで岡崎がゲット。84分にはこぼれ玉を拾った原口が一気にゴールへ流し込んで4-0。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「何年か前からチームがやっていた方法を抜本的に変えた」と試合後の会見で語った得点パターンは、惨敗に終わったブラジルW杯までの4年間、ボールポゼッションを主とした“遅攻”を「自分たちのサッカー」としていた日本にとって真新しいものだった。

 期間を前倒して欧州組のみの状況から1日にスタートした合宿では、「かなり速いパス回し、コンビネーション、そして動きながらのワンタッチ、ツータッチのプレーを何度も何度も繰り返してきた」と振り返った。

 その中で「柴崎、香川、岡崎、本田。彼らがボールを支配して、グラウンダーのボールをつないでいけば、かなりハイレベルの試合ができる」と手応えもつかんだ様子だった。

さらに、ハリルホジッチ監督は「W杯のあと、デリケートな時間を彼らは過ごしていた」と語った。高い野心を持ちながら、ビッグトーナメントでことごとく敗れてきた近年の日本代表にとって、メンタルへのダメージは大きかった。

 そのため、「だから抜本的に変えて、彼らを勇気づけた」と指揮官は語った。そして、この日代表初先発を果たしたFW宇佐美に対して「彼のメンタルを見ただろうか。『もっと行けよ』と香川や本田にも要求していた」と讃え、「そういったことを彼らは喜んでやってくれていたし、自分たちから喜びを見出していた」とチーム全体のメンタルが回復しつつあることを喜んだ。

 それでも「世界のナンバーワンからまだまだほど多い。予選を突破できるか、私がこのチームに居続けることができるのか、今はまだ分からない」とし、「3年後もこのチームと一緒に働き続けることができるのか、見ていてほしい」とファンやメディアにも厳しい目で代表チームを見続けることを要求した。

 その上で「このチームを向上させたい」と決意を述べた。

【了】

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