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代表 9年前

なでしこ、準決勝イングランド戦で有利な4つの理由。ライバルの不安要素を分析

text by 編集部 photo by Getty Images

不安定な守備は、日本にとって大きなチャンス

なでしこ、準決勝イングランド戦で有利な4つの理由。ライバルの不安要素を分析
イングランドは日本にとって大会連覇に向けて倒さなければならない相手【写真:Getty Images】

3:失点癖

 グループステージ初戦のフランス戦に0-1で敗れて以降、メキシコ戦、コロンビア戦、ノルウェー戦、カナダ戦すべてで1失点を喫している。フランス以外に2-1で勝利しているといえば聞こえはいいが、お世辞にも守備が安定しているとは言えない。

 GKへのバックパスをミスしてビッグチャンスを作られたり、セットプレーの守備で後手を踏んだり、日本にも付け入る隙は十分にある。大儀見優季や近賀ゆかり、大野忍の3人はイングランド代表選手の多くとともにプレーした経験があり、彼女たちの強みも弱みも十分に理解している。時折見せる弱い部分を確実に突ければ必ず得点につながるはずだ。

4:マーキングの甘さ

 これまで8得点を挙げながら5失点を喫しているイングランドの守備は、前述の通り安定しているとは言いがたい。その大きな原因はマーキングの甘さにある。サイドに大きく振られたり、背後を取られたりするとどうしてもボールを見てしまい、人へのマークが疎かになる傾向にある。細かく連動した動きを得意とする日本の選手たちは、ポジションにとらわれず相手DFを揺さぶり続ければ、しだいにほころびが明らかになっていくはずだ。

 イングランドは2015年に入ってから今大会の日本が破ってきたオーストラリアやオランダと対戦している。オーストラリアには3-0で勝利し、オランダとは1-1で引き分けた。一方で昨年11月に対戦したドイツや、今年2月のアメリカ戦、そしてW杯初戦のフランス戦など、日本と同じようにボールを支配するタイプのチームにはなすすべなく敗れてきた。

 得意不得意なタイプがはっきりしており、日本にとっては戦いやすい相手と見られる。すでにアメリカが決勝進出を決めているが、イングランドは大会連覇に向けて倒さなければならない相手。なでしこジャパンの本領発揮に期待だ。

【了】

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