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日本代表 9年前

方向性を示すハリルホジッチ、一方で潜む“ゲームコントロール”という言葉の危険

text by 河治良幸 photo by Getty Images

就任会見で語ったひとつの言葉

 ブラジルW杯のアルジェリア代表を見ても分かる通り、本来ハリルホジッチ監督は勝負に対してプラグマティック(実利的)な志向が強く、チームのベースを基本としながら、試合ごとに相手をしっかり研究して対策を立てて行くタイプの監督だ。

 当然、試合環境も計算に入れながら試合のプランニングをしているはずだが、今回そういった部分にあまりフォーカスしていないのは新しいメンバーに方向付けをしている段階という戦略的な事情があるからだろう。

 負けず嫌いを前面に押し出し、親善試合でも勝利を強調してはいるが、就任会見で「少し時間をください」と語っていた部分を忘れるべきではない。今回はA代表の経験が浅い、あるいは初招集の選手が多いこともある。

 今回は確かに現地の暑さに加えて、Jリーグからの過密日程という事情も体力的な部分に影響しているが、それよりもチームの方向性を植え付ける段階で結果を求められるというところで、特にゲームコントロールの難しさが出ているのは確かだ。

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