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日本代表 9年前

【現場記者の目】岡崎が感じた「新たな壁」。更なる進化へ模索続ける“アジアキラー”

text by 元川悦子 photo by Getty Images

決定力不足解消へ。神髄発揮なるか

レスター岡崎
プレミアリーグのレスターでプレーする岡崎【写真:Getty Images】

 確かにカンボジア戦では得意のニアサイドの飛び出しが影を潜めていた。かってはニアからヘッドで決めるのが彼の定番だったくらいだ。その良い記憶を甦らせ、受け手としてのさまざまな工夫を凝らしつつ、得意のダイビングヘッドやこぼれ球への反応といった泥臭い形に持ち込めれば最高だ。岡崎の神髄が発揮されれば日本にとっても大きなプラスと言える。

 ただ、長谷部が「アフガニスタンは相手も今までの2試合と違ってブロックを敷いてくるチームではないし、前にどんどん出てくるので、相手DFの背後へのパスも狙いどころはかなりあるかな。分析ビデオを見て思いました」と語ったように、今回はシンガポールやカンボジアとは少し違った展開になる可能性が大だ。裏のスペースが生まれれば、岡崎にとっては絶好のシチュエーション。「アジアキラー」の虫が騒ぎ出すに違いない。

 その結果、クロスからもスルーパスからも点が取れる底力を示せれば、ここからのゴールラッシュも十分可能だ。三浦知良(横浜FC)が持つ55点という日本歴代得点ランキング2位の記録を視野に入れるなら、二次予選で確実にゴールを稼いでおくべきだ。新天地・レスターで絶好調を維持している岡崎ならそれができるはず。

 日本の決定力不足解消の切り札になれるとしたら、背番号9をつけるこの男しかいない。プレミアリーグでプレーする選手として、一味違う姿を今度こそ多くの人々の脳裏に焼き付けてほしいものだ。

【了】

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