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日本代表 9年前

【識者の視点】塩谷、柏木、南野。新戦力の顔ぶれに見るハリルホジッチのメッセージとは?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

「現代フットボールに適した選手」。高評価の南野

【識者の視点】塩谷、柏木、南野。新戦力の顔ぶれに見るハリルホジッチのメッセージとは?
正式には今回がA代表での初選出となる南野拓実【写真:Getty Images】

 シリアやイランはこれまでの3カ国より局面で厳しく来ることが予想されるが、逆にビルドアップや攻守の切り替わりにおける“1つ飛ばすパス”の効果は高くなる。

 山口のコンディションが様子見ということもあり、いきなり先発出場の可能性もあるが、もともと経験はある選手だ。連係のハンディはあるが、そうした部分で高いクオリティを示すことができれば、先に向けて中盤における序列を逆転していくことも不可能ではない。

 南野はザックジャパン時代の2014年4月に、代表候補として国内合宿に参加し、ブラジルW杯のバックアップメンバーに選ばれた経験がある。

 正式には今回がA代表での初選出となるが、指揮官は「時間をかけて追跡している」と語っており、その才能に早くから注目していた様子。先月のカンボジア戦とアフガニスタン戦でもバックアップメンバーに入っていた。

 FWの枠はウィングとCFを合わせて6枚。永井謙佑が怪我で対象外となる今回は、南野と同じU-22代表の浅野拓磨やオランダで結果を出している長身のハーフナー・マイクなどが選ばれる可能性も予想された。しかし、ハリルホジッチ監督は武藤嘉紀をマインツで担っているCFに上げ、南野を構想上はウィングに割り当てている。

「現代フットボールに適した選手」と評価される南野が将来性を買われているのは確かだが、即戦力としての期待も高そうだ。ザルツブルクでは2トップ、左右のサイドハーフでプレーし、日本では4-2-3-1のトップ下も経験している南野はバーサタイル(汎用的)なアタッカーだが、常連の攻撃陣と重なる部分が多い南野のスペシャリティは1つの流れで出し手にも受け手にもなる能力が突出して高いことだ。

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