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香川真司 9年前

香川も感じたバイエルンの強さ。好調ドルトムントが完敗した理由

text by 本田千尋 photo by Getty Images

敗因は、“成熟度の差”

香川も感じたバイエルンの強さ。好調ドルトムントが完敗した理由
ドルトムントはジェローム・ボアテングのロングボールに対応できなかった【写真:Getty Images】

 36分にオーバメヤンが1点を返して、ドルトムントは2-1で前半を折り返したが、後半開始早々だった。またも「ボアテング」と「ロングボール」である。レヴァンドフスキがフンメルスたちDFラインの裏に抜け出して、ゴールを奪う。1-3。フンメルスは「バイエルンの3点目が試合の結果を決定した」と考える。ここでバイエルンの勝利は決まった。

 その後も58分にレヴァンドフスキ、66分にゲッツェと、バイエルンはほぼ10分毎に点を重ねていく。ドルトムントは53分に香川とカストロに代えて、ロイスとヤヌザイを同時投入するが、結局のところ「アタッキングサードでは結果に結び付かなかった」。BVBは終始圧倒されて、1-5でバイエルンに敗れた。

 それにしても、なぜこれほどまでの大差が付いたのだろうか。

 トゥヘル・ドルトムントはまだ産声を上げたばかりだが、ペップ・バイエルンは老成しつつある。トゥヘルは監督就任1年目で、チャンピオンズリーグの出場を目指している途中だが、ペップ・グアルディオラはバイエルンを率いて3季目に突入し、CLの準決勝に2度進出している。そして、今回のドルトムントに対する完勝で、欧州の頂点をも視界に捉えた。どうしてもまず成熟の度合いが違う。

 その差を考えれば、このバイエルンに対する完敗を悲観的に捉える必要はない、とも言える。長いリーグ戦の中では、どんなチームでも敗れるときがある。BVBにとっては、それが今回のバイエルン戦だった。ただそれだけだ。確かに今季初の黒星は付いたが、それだけで今シーズン終了時の目標であるCLの出場権確保が危うくなるわけではない。

 トゥヘルは言う。

「我々は自分たちを取り戻して立ち直らなくてはならない。それがすぐに必要なことだ」

 ボルシア・ドルトムントであれば、すぐに立ち直って、自分たちを取り戻すことができるはずだ。

【了】

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